抜歯や歯科治療の前に、歯医者さんへ伝えてほしいこと
丸の内で働く皆さまの中には、健康診断や整形外科で骨粗しょう症と診断され、お薬や注射による治療を受けている方もいらっしゃると思います。
普段は歯科と骨粗しょう症を結び付けて考える機会は少ないかもしれません。
しかし実は、骨粗しょう症の治療薬の中には、歯科治療の際に歯科医師が把握しておくべきものがあります。
特に抜歯などの外科処置を予定している場合は、骨粗しょう症の治療状況を事前にお知らせいただくことが大切です。
お薬手帳をお持ちください
骨粗しょう症にはさまざまな治療薬があります。
なかでもビスホスホネート製剤やデノスマブ製剤は、骨折予防に大きな効果を発揮する一方で、ごくまれに顎の骨の治癒に影響することが知られています。
そのため歯科医院では、
・どの薬を使用しているか
・いつから使用しているか
・現在も継続しているか
を確認することがあります。
治療を安全に進めるためにも、お薬手帳をご持参いただけると安心です。
注射による治療も忘れずに
骨粗しょう症の治療は飲み薬だけではありません。
病院で半年に1回や年に数回の注射治療を受けている方もいらっしゃいます。
ご本人が「薬は飲んでいません」と思っていても、注射治療が歯科治療に関係する場合があります。
整形外科や内科で受けている治療についても、遠慮なくお知らせください。
お薬をやめた後も情報は大切です
「以前は飲んでいたけれど、今は飲んでいない」
という場合でも、その情報は歯科治療に役立つことがあります。
骨粗しょう症治療薬の中には、使用終了後も長期間骨に作用が残るものがあります。
現在の服薬状況だけでなく、過去の治療歴もぜひお伝えください。
一番大切なのは、普段からお口を健康に保つこと
骨粗しょう症の薬を使っているからといって、必要以上に心配する必要はありません。
むしろ大切なのは、抜歯が必要になるようなむし歯や歯周病を予防することです。
忙しい毎日の中でも、定期的なメンテナンスを受けることで、お口のトラブルを早期に発見し、大きな治療を避けられる可能性が高まります。
東京駅直結という立地柄、当院には仕事帰りや昼休みにメンテナンスへ通院される患者さまも多くいらっしゃいます。
将来にわたってご自身の歯で快適に食事を楽しむためにも、定期的な口腔管理をおすすめしています。
エビデンスコーナー
骨粗しょう症治療薬であるビスホスホネート製剤やデノスマブ製剤の使用患者では、まれに薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)が発生することが報告されています。
しかし発症頻度は高くなく、適切な口腔衛生管理と定期的な歯科受診によってリスクを低減できることが知られています。現在のガイドラインでも、骨粗しょう症治療を継続しながら主治医と歯科医師が連携して管理することが推奨されています。

