
前回は、ドライマウス(口腔乾燥症)の症状や原因、唾液の役割についてご紹介しました。
口が乾いたとき、まず水やお茶を飲む方が多いと思います。もちろん、こまめな水分補給は大切です。しかし、飲んだ直後は楽になっても、しばらくすると再び乾いてしまうことがあります。
これは、ドライマウスが単なる水分不足だけで起こるものではないためです。唾液の分泌量が減っている、口呼吸によって唾液が蒸発している、服用している薬や全身疾患が関係しているなど、さまざまな原因が考えられます。
今回は、日常生活で取り組める対策と、歯科医院で行う確認やケアについて、もう少し具体的にお話しします。
口が乾きやすい生活になっていませんか
口の乾きは、日常の何気ない習慣によって強くなることがあります。
たとえば、仕事中に会話が少ない、柔らかい食品を短時間で食べる、鼻づまりなどで口呼吸をしている、暖房の効いた乾燥した室内で長時間過ごすといった状態です。
緊張する場面が続いたときにも、一時的に口が乾くことがあります。会議や人前で話す前に口が渇くのは、自律神経の働きによって唾液の分泌が変化するためです。
また、頻繁に水分を取っていても、口を開けたまま眠っている場合には、起床時の強い乾燥や喉の違和感が続くことがあります。
まずは「いつ、どのような場面で乾くのか」を振り返ることが、原因を探る手がかりになります。
日常生活でできるドライマウス対策
口の乾燥が気になるときは、次のようなことを意識してみましょう。
1.水分は少量ずつ、こまめに取る
一度に大量に飲むよりも、少量の水やお茶をこまめに取るほうが、口の中の潤いを保ちやすくなります。ただし、糖分を含む飲料を頻繁に口にすると、むし歯のリスクが高くなるため注意が必要です。
2.食事はよく噛む
噛むことは、唾液の分泌を促す刺激になります。食材の硬さや大きさを無理のない範囲で工夫し、急がずに噛んで食べることを意識しましょう。
ただし、口の中に痛みがある方や、飲み込みにくさがある方は、硬い食品を無理に食べる必要はありません。
3.口呼吸を見直す
鼻づまりや睡眠中の口呼吸があると、唾液が蒸発しやすくなります。鼻の症状が続いている場合は、耳鼻咽喉科への相談が必要になることもあります。
口呼吸の原因を確認せず、口を閉じるためのテープなどを自己判断で使用することは避けましょう。
4.室内の乾燥を避ける
秋から冬にかけては空気が乾燥し、暖房によって口の乾きが強くなることがあります。加湿器を使用するなど、室内の湿度にも気を配りましょう。
5.刺激の強い製品に注意する
アルコールを多く含む洗口液や、刺激の強い歯磨き剤は、症状によっては乾燥感や粘膜の痛みを強めることがあります。
保湿ジェルや保湿用洗口液にもさまざまな種類があるため、自己判断で選び続けるのではなく、歯科医院で相談することをおすすめします。
歯科医院では何を確認するのでしょうか
ドライマウスの診察では、口の中を見るだけでなく、症状が始まった時期や乾きやすい時間帯、服用している薬、全身疾患、生活習慣などを確認します。
そのうえで、舌や頬の粘膜、歯、歯ぐき、入れ歯の状態などを診察し、必要に応じて唾液の分泌量や口腔内の湿潤状態を調べます。
ドライマウスがあると、歯の根元や詰め物の周囲などにむし歯ができやすくなり、口臭、舌の痛み、粘膜の傷などが起こることもあります。そのため、乾燥への対処だけでなく、むし歯や歯周病を防ぐための定期的な管理も重要です。
服用している薬の影響が考えられる場合でも、ご自身の判断で薬を中止してはいけません。必要に応じて処方した医師と情報を共有し、対応を検討します。
「少し気になる」段階でご相談ください
ドライマウスは、強い乾燥感が出るまで気づかないことがあります。
「最近、会話中に口が乾く」「食事に水分が欠かせなくなった」「朝起きると舌が痛い」「口の中がネバネバする」といった変化も、相談のきっかけになります。
当院には、ドライマウス研究会で学んだ会員および認定医証を取得した歯科医師が在籍しています。同研究会は2025年12月末をもって活動を終了していますが、そこで得た知識と診療経験を生かし、口の乾きだけでなく、服薬状況や全身状態、生活背景を含めて原因を整理します。
水分を取っても口の乾きが繰り返す方や、口の粘つき、舌の痛み、味の感じにくさ、飲み込みにくさなどが続いている方は、新丸ビル10階歯科へご相談ください。
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参考文献等:
『口の中が乾燥する|口腔外科相談室』
『口腔機能低下症に関する基本的な考え方』
『Diagnosis and management of xerostomia and hyposalivation』
『Medication-Induced Xerostomia and Hyposalivation in the Elderly: Culprits, Complications, and Management』
『Interventions for the management of dry mouth: topical therapies』







